金属業界における応用
鉄鋼生産
高炉での鉄鋼生産は鉄鉱石の還元による銑鉄生産と変換装置での粗鋼生産という二段階を経ます。圧縮空気はその前半で使用します:高炉上部から材料を投入し、高炉内にコークスと鉄鉱石の層を交互に形成します。下の気流投入口から高熱空気が吹き込まれます。高熱空気として高温に熱した酸素と炭化水素燃料を高濃度に含む圧縮空気を利用します。これは鉄鉱石を効果的に溶融するために必須です。
また、圧縮空気は空気冷却にも使用します。冷却工程は鉄鋼の物性に影響するので、鉄鋼の冷却には特定の要求事項が課され、使用する媒体についても要件が異なります。一例として加速冷却が挙げられ、この冷却法は気流(気流落下)によります。
サンドブラスト
金属や金属部品の生産工程中に表面から堆積や粒子を完全に除去することは必須であり、こうしないと、表面処理などの下流処理が必要になりコスト増になるからです。一つの方法としてサンドブラストがありますが、これは圧縮空気吹き付けとも呼ばれることがあります。この手法は材料から塗装材料の残留や汚れ、錆びを除去したり、ワークを変形したり、表面特性処理のために使用します。
圧縮空気は吹き付け材料をノズルに加速させて通すのに使用します。吹き付け材料が高速で表面に当たり処理する必要があります。
表面技術
パウダーコーティング(粉体塗装)は金属にも非金属にも適したコーティング技術です。静電粉体塗装(EPS)と流動浸漬法の二つのプロセスがあります。
圧縮空気はワークに吹き付けたり、粉体の送りあるいは流動化のために使用します。また、コーティングスペースの中で圧縮空気を投入エアーとスプレーエアーとして使用することもできます。圧縮空気の品質は最終製品に影響します。例えば、油分がある圧縮空気は被膜の開口(クレーター)や泡、流動床のクレーター発生などの問題につながります。
圧縮空気が必要なその他のプロセスには、直流電気を印加しつつ硫酸で電解するアルミニウム生産によく使用される電解方式があります。陽極酸化処理には電解質の運動が必要であり、このために浄化した油分のない圧縮空気を投入します。
表面改質には加熱噴霧工法があります。この技術では圧縮空気とともに火炎噴射やアーク式溶射も使用します。この場合、圧縮空気は溶射材料を表面に溶射される噴霧気体として機能します。
切断、溶接
金属の切断や溶接にレーザーをよく利用します。レーザー溶接でもレーザーカットでも圧縮空気を使用します。これらの用途では加工中にも最終製品にも問題が生じないように、油分がなく乾燥し、清潔な圧縮空気は必須です。
レーザー溶接では最大8 barの圧縮空気を使用し、金属粒子や材料蒸気を溶接レンズから除外し、損傷を防止しています。このプロセスはクロスジェットユニットという装置を使って行います。
レーザーカットではプロセス方式に応じて圧縮空気をミラーチャンネルの洗浄や溶融物の除去に使用します。切断工程では切断ガスとしても利用されます。清潔な圧縮空気が材料表面を冷却し、切断品質を高めます。さらに圧縮空気は蒸発した材料や、その他の材料を除去するのにも使用します。.
空気圧ツール
金属工業においても多くのツールを圧縮空気で操作し制御します。適切な圧縮空気の品質は、機械やプラントに蒸気が過剰にあったり、配管の腐食があると生産停止の頻繁な原因になるので、必須条件です。
圧縮空気ツールの一例に圧縮空気ハンマーがあります(鉄鋼生産を参照)。このハンマーはコア排出、炉やパンから素材を割り出すために使用します。さらに圧縮空気スタンプ装置や圧縮空気研磨機も使用されます。
3D – メタルパウダープリント
3Dメタルプリンティングプロセスは従来プロセスより数点において優れます:付加製造は複雑な部品の製造を可能にし、材料を節約し、生産が高速化し、故障原因が減ります。選択的レーザー溶融法(SLM)では部品を層状に積層していきます。このプロセスは通常は保護ガス環境で行います。保護ガスとしては通常、窒素発生装置を使用して一部は圧縮空気から生成する窒素ガスを使用します。圧縮空気は、コンポーネントやプロセスが汚染されず、停止、クリーニング、交換による費用が発生しないようにするため、一定品質がなければなりません。